すると、大小のサクラマスが入網していました。
これらは、海洋回遊生活から帰ってきたサクラマス成魚(写真上の個体)と海へ降りて少しだけ成長した未成魚(写真下の個体)です。

下の写真は、両者の鱗を拡大したものです。

両個体とも中心付近に1本1本の成長線の間隔が狭く密になって見える“淡水帯”が確認できます。
これは、河川生活期(川で生まれてから海に降りるまで)を示しています。
一方、成魚の鱗では、淡水帯の外側にある“海洋帯”に成長線が密になって線のように見える“年輪”が確認できます。
これは、海で1回越冬したことを示しています。
サクラマスは、海で1回越冬した後に回帰する個体が多いことが知られています。
未成魚には年輪がなく、これから海で最初の冬を越すであろうことが分かります。
この時期は、河川に遡上しようと帰ってきた親とこれから海を旅する未成魚が同時に沿岸を回遊しているんですね。
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