2020年05月29日

アナジャコ(その2)

前回に続き宮古湾のアナジャコの話題。
シャコと名がついていますが、エビやカニ、ヤドカリの仲間です。宮古では“ゴズ”と呼ばれるそうです。アナジャコの巣穴は2つ穴が必ず対になっています。
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下の図はアナジャコの巣穴断面の模式図です。
図のようにY字型になっていることが知られています。
驚くべきことに、Y字の縦棒の部分の深さは時に2mに達するそうです。
表面から見えるたくさんの穴の下はこんなになっているんですね!
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下の写真は、アナジャコを真横から見たものです。遊泳脚と呼ばれる団扇型の肢がついており、これを活発に動かすことで、強力な水流を起こすことができます。
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下の写真はアナジャコの頭部と歩脚と呼ばれる前脚のアップです。たくさんの毛がありますね。アナジャコは自身が起こした水流で一方の巣穴から水を取り込み、流れてきた有機物をこの毛で濾しとって食べます。そして、濾しとり終わった水はもう一方の巣穴から排出されます。結果として、フィルター兼干潟の内部に酸素を送り込む装置の役割を果たしているといいます。アナジャコは宮古湾の干潟の浄化に一役買ってくれている大事な存在といえそうです。
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2020年05月25日

アナジャコ

先週土曜(5月23日)は、巻き網によるサケ稚魚調査を試みましたが、残念ながら、この日はサケ稚魚をほとんど採集できませんでした。
海底に落ち葉が大量に堆積している調査ポイントでは、マアナゴとみられるレプトケファルス幼生がかなりの数採集されました。こうした場所で、ある程度大きくなるのでしょうか。
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この日はアサリの口開け。
かねてから山根会長にアナジャコを見たい!とお願いしていたのですが、観察するならこの日がよいということで、アナジャコの穴のある場所を教えてもらいました。
アサリを採る時間を削って、教えていただきました。(会長、ありがとうございます!)
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水中を除くと、アナジャコの穴(黄色の矢印)がそこそこあります!会長によれば、震災前はもっとたくさんの穴が見られたそうです。
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そして、アナジャコ発見!!
といっても、アナジャコの採り方を会長に教わってチャレンジしていたら、近くでアサリを採っていた方のじょれんにアナジャコが入ったということで、いただいたものです(ありがとうございました!)。
このアナジャコ、実は宮古湾の干潟にとって、とても大事な存在かもしれず、ぜひ見てみたかったのです。(続く)
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2020年05月19日

イシガニとサバ

昨日、山根会長にカニ籠を入れてもらいました。研究用のイシガニを獲るためです。東北区水産研究所では、藻場再生へ向け、磯焼けの一因とされるウニの捕食生物を探索しています。研究の結果、イシガニがウニを捕食することが分かってきており、磯焼け対策に利用できないか調査研究を継続しています。
会長の指示通りの場所に複数の籠を投入していきます。
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翌日、籠をあげてみると、しっかりとターゲットのイシガニが入っていました。会長は本当にいろいろと知っておられますね〜。
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そして、会長の定置網では今年も体長30~40cmのサバが獲れ始めました。昨年、岩手では5月としては異例の豊漁となったサバ。
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早速、サバの胃の中身を調べてみると、10尾中1尾がサケ稚魚を食べていました。ほとんどのサバはカタクチイワシを食べていました。宮古湾に放流されたサケ稚魚が全体としてどの程度サバに食べられているかは不明ですが、もし、今年もこの時期(5月)に非常に多くのサバが沿岸に来遊するようであれば、これから外海へ出ていくサケ稚魚が捕食されないか少々心配です。
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2020年05月17日

ホッケ

昨日、定置網にホッケが入網していました。ホッケは宮古の市場でも水揚げが見られますが、湾奥の定置に入るのは珍しいとのこと。
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2020年05月10日

宮古湾サケ稚魚調査(その3)

先週の土曜は巻き網、今週の土曜は磯縦網と山根会長のご協力でサケ稚魚のサンプルが順調にあつまっています。
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水温が高くなり、定置網にはスズキも入網していました。
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近年は春の水温上昇が早い傾向にあるため、放流後のサケ稚魚の餌や成育状況などを主に調べています。
サケ稚魚は宮古湾内で実に様々な種類の餌を食べていますが、カイアシ類やエビカニ幼生といった動物プランクトンが中心です。
時には小さな魚も食べます。
下の写真は、昨日採集した体長約6cmのサケ稚魚の顔のアップです。
アップで見ると歯が鋭く、凶悪な顔にも見えます。
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サケ稚魚は海に入ると体色が緑色に変化します。
下の写真は尾部の写真のアップです。
コバルト色のパールをちりばめたようできれいですね。
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posted by HP管理人 at 15:17| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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