先日の水産経済新聞にも「岩手沿岸、マサバ大漁」「5月としては異例」と報じられていました。
月額の累計では前年の3倍にあたる8,000トン超え、統計がある1994年以降では過去最多の数量になったそうです。
そもそもサバの資源量が増えていることに加え、沖合の水が冷たく、サバが好む暖かい水温帯が沿岸域に寄っているため、沿岸域にサバが集まっているのではないかとのことでした。
東北区水産研究所では、宮古湾において川から下ってきたサケ稚魚の調査を行っています。
湾奥にある山根会長の磯建て網で、サケ稚魚の採集を行っています。
こちらがサケ稚魚。

津軽石川から放流されて1週間ほど経ったものですね。
サケ稚魚は川から下って1ヶ月ほど湾内で生活した後、北海道、ベーリング海に向けて北上していきます。
沿岸でサバが豊漁ということで、磯建て網のなかにはサケ稚魚とともにサバも入っていました。
そのサバのお腹を開いてみると、サケ稚魚が、、、

網の中に入ってからサバがサケ稚魚を捕食した可能性もありますが、いずれにせよ魚食性の強いサバにとってはサケ稚魚は格好のエサのようです。
沿岸域にサバが沢山いるということは、湾内から外海へ出るサケ稚魚にとっては恐ろしい天敵が待ち構えている状況になっているのではないでしょうか。
この時期の沿岸域でのサバの豊漁は、サケ資源には少々心配な事案になるかもしれませんね。
by shiranori